フィードバックの概要
フィードバックとは、相手の成長を促すために、相手の良い点・改善点を効果的に伝える手法であり、昨今多くのグローバル企業で導入が進められています。
自らの行動や態度が他人の目にどう映るのか、自分ではなかなか気付くことができない部分をフィードバックとして伝えることによって、相手は自己認識と他者認識のギャップを把握し、何を伸ばし・改善するかという課題に取り組むことができます。
フィードバックは一般的に、「耳の痛いことを率直に伝えて改善を促すもの」という意味合いが強いですが、広い意味では、「相手を認めるフィードバック(ポジティブフィードバック)」と「改善を促すフィードバック(ネガティブフィードバック)」があります。
相手を認めるフィードバックには、褒める・認めるといった直接的な行為に加え、挨拶をする・声をかける・話を聞くというような日常的な行為も含まれており、本コンテンツではこれらの内容も含めて説明します。
学ぶべきフィードバックには、先ほど説明したように2種類あります。
「相手を認めるフィードバック(ポジティブフィードバック)」と「改善を促すフィードバック(ネガティブフィードバック)」です。
それぞれをうまく活用することで、成長を支援することができます。
「改善を促すフィードバック」は、有効に伝えられれば大きなインパクトになります。
しかし、本人が落ち込んでいるタイミングで行うと追い討ちをかけてしまい逆効果になることや、そもそもの信頼関係がないなかで耳の痛い話を伝えても、相手は反感を抱くだけで効果は限定的です。
そのため「相手を認めるフィードバック」と「改善を促すフィードバック」のバランスが大切です。
アメリカの心理学の研究によると、生産性の高いチームのコミュニケーションには、ポジティブなコミュニケーションが6、ネガティブなコミュニケーションが1の割合という特徴があるとされています。
出典:「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」バーバラ・フレドリクソン
これは、耳あたりの良いことばかり伝えても、反対に、耳の痛いことばかり伝えても、チームは良くならないことを示していると考えられます。
そのため、まずは相手を認めるフィードバックを日々行い続け、そのうえで必要な場合に改善点を率直に伝えるバランスが求められます。
褒める・認めることは得意だけれど改善点を指摘することが苦手という方は、日々ポジティブなコミュニケーションを取れているからこそ、ときに改善点を伝えることが有効であることを理解しておきましょう。
反対に、褒める・認めることが苦手で改善点を指摘することが多い方は、日々ポジティブなコミュニケーションを取れるよう意識して努力しましょう。
そうすることで信頼関係が築き上げられ、改善点の指摘がより効果的なものになります。
それでは、部下とどの程度の信頼関係を築き、日々どのくらいのフィードバックができているか、管理職向けのチェックリストがあるので、一緒に確認してみましょう。
いくつ当てはまりましたか?
これらのうち⑧と⑨を当たり前のように実践できている管理職はあまり多くないかもしれません。
管理職から部下に対する不満や相談を聞く際、「それを本人に伝えましたか?」と聞くと「言っていません……」というケースにあたることがしばしばあります。
相手の成長を心から願い、相手の良い点・改善点を伝える正しいフィードバックの手法を身に付けましょう。