1on1とは
1 on 1とは、上司と部下の信頼関係構築や部下の成長支援をねらいとする定期的な対話の場です。
頻度としては週に1回から月に1回、時間は15分から1時間など部下のスキルや意欲、部下の置かれている環境に応じて調整します。
1 on 1は、インテルの元CEOアンドリュー・グローブによって1995年に刊行された『 HIGH OUTPUT MANAGEMENT』において、「相互に教えたり情報を交換したりすることで仕事上の関係を維持する重要な方法」として紹介されており、シリコンバレーを中心に広まりました。
その後、日本ではヤフージャパンが1 on 1を導入し、2017年にその手法を”ヤフーの1 on 1”として書籍で紹介したことで認知度が高まりました。
なお、ここでの1 on 1は、部下の仕事に対する指摘や、問題の責任追求や、業務進捗・数値管理ではなく、リモートワークの状況や若い世代の価値観などを鑑みたうえで『部下の気持ちに寄り添って問題解決のアドバイスや内省の支援を肯定的・共感的なスタイルで実施するもの』として説明します。
1on1が求められている理由
なぜ、肯定的・共感的なスタイルの1 on 1が求められているのでしょうか。
その背景には、昨今の価値観や働き方の多様化があります。
これまでの日本では、年功序列や終身雇用といったように、会社が社員のキャリアと働き方を決める傾向にありましたが、現在はダイバーシティの高まりなどにより、個々人が自分らしく、さまざまなキャリアと働き方を選択する社会となりつつあります。
そのため、組織は個々人がどうなりたいか、何をしたいかを把握して、それぞれの個性や能力の発揮と成長をサポートし、組織のパフォーマンスへつなげることが重要となります。
したがって管理職には、これまでのように指示命令・問題解決を支援することに加えて、個々人の価値観や考え方を尊重し、共感して内省を促すことを通じて、本人を成長させるサポートの実施も求められます。
2022年に実施された1 on 1に関する調査によると、調査対象の7割近くの企業で1 on 1が導入されていました。
導入の目的としては、1位が『主体性や自律性の向上』で、2位が『自律的なキャリア構築の支援』となっていました。
今後もこのような目的で1 on 1を行うことが、部下の自律性をサポートするために必要になってくると考えられます。
加えて、昨今はコロナの影響によりリモートで働くことが増え、対面では把握できていた情報や会話が減ることで、部下についての情報が不足しています。
部下の立場としても、若年層を中心に、悩んだ場合に相談できないことが増えているという話もあり、部下のための時間を意図的に確保し、質の高い対話を行うことが求められています。
実際に 1 on 1 で話す際に気を付けるチェックリストを紹介します。
上司・部下の相互理解、問題解決のサポート、キャリア実現の支援といったことについて、部下とどれくらい対話ができているか、チェックしてみましょう。
以上がチェックリストの項目です。
いくつ当てはまりましたか?
あまり当てはまらなかったという人はぜひ1 on 1の際に、このチェックリストを活用してみてください。