CFJ×PROJECT anyが描く次世代に伝えたい
「挑戦の意味」CFJとPROJECT anyが交わることで立ち上がるのは、若者・企業・社会をゆるやかにつなぎ直す“新しい共創のプラットフォーム”だ。
最終回となる今回は、2人がそれぞれの経験を持ち寄りながら、未来をどのように見据えているのかを明かしていく。
個人の挑戦が組織を変え、やがて社会の構造をも揺らす。そんな“10年先の社会像”に向けて、2人が示した答えとは――?
補い合うからこそ生まれる“掛け合わせの価値”
山本:最終回のテーマは「共創と未来」です。
2つのプロジェクトが交わることで、何が変わり、どんな新しい可能性が生まれるのか。その核心から話を始めていきたいと思います。
まずは、“それぞれが持っている力”を言語化しておきたいのですが、糸井さんはどう考えていますか?
糸井:CFJの強みは、コンサルティングスキルを“誰でも使える形”に整理しているところだと思います。再現性のある型を持っているのは本当に大きいですよね。
一方、PROJECT anyの強みは、若者の熱量と明るさ、パーソナルな空間の提供。そして、多様な人材のコミュニティを持っていることです。
方向性は違っても、両者を組み合わせたときに出せる価値は確実にあります。
奥地:CFJは論理的アプローチ、PROJECT anyは情緒的アプローチが強い。
スタイルは違うけれど、向いている方向が一緒だからこそ化学反応が起きるんです。
山本:具体的には、どんな協業が考えられますか?
奥地:たとえば、LuvirのコンサルタントがもつスキルをPROJECT anyの参加学生(以下「エニー生」)が学ぶ。反対に、エニー生が持つフラットなコミュニケーション感覚をLuvirのコンサルタントが学ぶ。いわば“スキルと熱量の交換”のようなことはすぐにでもできると思いますよ。
糸井:なるほど。立場や強みの違いがあるので、より面白くなりそうですね。
私は、あえて“立場を入れ替える”仕掛けもいいなと思っていて。たとえば、エニーでプロジェクトを回してきた学生が、CFJの案件に入らせていただく。そんなクロスが起きると、互いの視点が一気に立体化しそうです。

若者が地域に飛び込むと空気が変わる
――協働の話から、「どこで価値が生まれるか」というテーマへ自然に話題が広がる。
山本:地域との掛け合わせも可能性があるのでは?
糸井:そうですね。これは第2回でも触れましたが、若い人が関わることで、現場に良い影響が出てきます。地方の中小企業、とくに人口が減っている地域ほどその変化は顕著なので、何か考えていきたいですね。
奥地:その話で思い出したんですが、東大阪に『商店街まるごと”まちごとホテル”』という面白い取り組みがあるんですよ。商店街全体をひとつのホテルに見立てて、点在する空き家を客室にしたり、お店をレストラン代わりに使ったりという。
そこに学生が関われば、企画づくりや広報、店舗との調整など、地域の事業者が手の回らない部分を補える。プロジェクト自体の動きが加速することはもちろん、若者が関わることで、地域に“ワクワク”が広がりそうじゃないですか?
糸井:地域で起こる化学反応の例として、とても興味深いです。

「接着剤」のように教育・仕事・社会をつなぎ直す
山本:では、CFJ×PROJECT anyが組む意義をどう捉えますか?
奥地:強力な接着剤って、別々の溶剤Aと Bを混ぜて初めて力を発揮しますよね。CFJとPROJECT anyも同じで、本来は“断絶”してしまいがちな領域を掛け合わせることで、強固につなぎ直せると思っています。
たとえば、教育・仕事・社会の間にある断絶。その隙間を埋める“第三の場(サードプレイス)”として機能させたいんです。
この話は、PROJECT anyの「パーソナルなスペース」に似ているんですよ。でも私が求めているのはその延長線というよりも、さらに一段アップデートされた形なんです。
だから教育の場でもないし、仕事の場でもない。ましてや就職支援でもない。どれにも当てはまらない“隙間のスペース”なんだけど、私たち大人側の経験値が加わることで、若者が“人としての輪郭”や“夢”を取り戻す場所を提供できると考えています。
糸井:仕事と社会をつなぎ直すハブという意味で、現代のサードプレイスなわけですね。
奥地:そうです。実はそのような中間領域って、世の中にほとんどなくて。
だから「あそこに行ったら、おもろいやつに会えるらしい」「なんか元気もらえる」「人生に絶望する前に、一回覗いてみたら?」――そんなふうに言われる場所って、めちゃくちゃ価値があると思いませんか?
糸井:最高ですね!

挑戦は“主体的に生きる力”を取り戻すこと
山本:それでは、いよいよこの対談の締めくくりです。
挑戦することは、結局どんな価値を持つのか。次世代が迷ったときの指針になるような「挑戦する意味」――その答えをぜひ伺わせてください。
糸井:挑戦には「自分の人生を主体的に選び取る力」を取り戻す価値があると思っています。
挑戦=特別な行動のように見えますが、実はもっと身近で、日常の選択の積み重ねなんですよね。
そのうえで、僕が一番大事だと感じているのが“自分であり続けること”です。でもこれは、口で言うほど簡単ではありません。
自分の譲れない価値観や、「こう生きたい」という願いを、きちんと行動に落とし込んで続けていく。これも挑戦の連続なんですよね。
学生と話していると、「自分はありのままでいたい。でも、何者かになりたい」という言葉が出てきます。
この二つを両立するのは、簡単ではありません。でも、ありのままでいたいなら、その価値観を選び続ける挑戦が必要で、何者かになりたいなら、それを形にしていく挑戦の積み重ねでしか叶わない。
だから私が次の世代に伝えたいのは、「自分であり続けるためにこそ、挑戦は避けて通れない」ということなんです。
それに挑戦を続けている人って、やっぱりカッコイイじゃないですか(笑)

“小さな違和感”は自分を守る出発点
奥地:私が考える挑戦の価値は、成功するかどうかで決まるものではないということです。成功には運や環境が大きく影響するので、それを基準にしてしまうと苦しくなってしまう。
そうではなく、自分の心に浮かんだ“小さな違和感”を大事にしてほしい。もちろん、その感覚が独りよがりではないか、一度立ち止まって内省することは必要です。その上で、「それでも自分はこう思う」と言い続けることが挑戦なんです。
そして、周りの空気に流されないということは、自分への誠実さを貫く行為でもありますから。
あるいは全く逆で、「ここは変えたい」と思い続けて、ほんの少しでも現実を動かそうとすることも必要。たとえその一歩が小さくても、“ちょっとずつでも変えていこう”と向き合う姿勢そのものが挑戦だし、「自分はここにいる」と示し続けることもまた、確かな挑戦の形です。
糸井:ほんとそうですね。外から与えられた評価ではなく、今日選んだ一歩が明日の自分をつくり、その積み重ねが自分を大きくするのだと、改めて思いました。
奥地:山本さんはどうですか?何か感じたことがあればぜひ。
山本:私は今回の対談を通して、何度も前職時代を振り返っていました。それで思ったのが、“動くことに慣れているかどうか”が、その後の人生をに影響があるなと感じました。
40代に入って突然「何かやってみろ」と言われても、未知の行動は怖いし、腰が重い。でも、20代のうちから小さな挑戦を積み重ねておけば、挑戦することに体が慣れると思うんです。
以前奥地さんも言っていましたが、これってヨガと同じだと思っています。ヨガってまず形から入って、心を落ち着かせる流れじゃないですか。
つまり「行動し、そこに感情がついてくる」という流れを感覚として慣れているかどうかは、その後の人生において非常に大きいですよね。
だから私は、若いうちに“動ける自分”を育てておくことは、将来への最高の贈り物になると考えています。
奥地:おおっ……めちゃくちゃ本質の話。提唱者を超えてきた(笑)
山本:いやいや。ところで、10年後のCFJとPROJECT anyはどうなっていると思いますか?
奥地:社会インフラになっていたら最高!
糸井:なっているんじゃないですか?“みんなが知っているCFJ”、“みんなが知っているPROJECT any”に。
奥地: いいですね~。そうなる未来を楽しみにしています。
山本:本日はありがとうございました。
【編集後記:奥地裕介】
4回の対談を終えてみると、CFJとPROJECT anyがどんな景色を目指しているのかが、少しずつ見えてきたように思います。
働くことと生きることが、ちゃんとつながっている世界。
経済や社会の循環が、個人の経験と無理なく結びついていく未来。
失敗の数さえも「経験」として評価される空気。
そして何より、20代の人たちが迷いながらも挑戦を重ね、自分という存在を育てていけるような社会。
こうした取り組みが特別ではなく、ごく自然に受け入れられる世の中になってほしい。
そのときCFJとPROJECT anyは、社会の中でなくてはならない存在になっていたいのです。
接着剤のたとえを使いましたが、違う強みを持つ者同士が“混ざり合う”ことで、初めて生まれる力があります。
今回の対談は、その方向へ歩き出すための静かな一歩になったのではないか――そんなふうに思います。