
会社概要
カトープレジャーグループ(以下、KPG)は「日本のレジャーをもっと楽しく!」をテーマとし、ホテル、リゾート、レストラン、エンターテインメント、リバークルーズなど多岐に亘る事業の開発や運営を行うトータルプロデュースカンパニー。
1. ご依頼背景・解決したい課題
背景・課題 | 詳細 |
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グループ各社でバラバラな人事制度 | 会社が大きくなるにつれ、各社・事業部間で役職や等級の統一がなされておらず、スタッフのキャリアに対する不安が増加。異動時の障壁にもなっていた。 |
評価制度の欠如または形骸化 | 事業部によっては評価制度が存在せず、属人的な評価が行われ、「どうすれば評価されるかわからない」という声が上がっていた。 |
サービス業の品質への影響 | サービス業において、従業員の行動・能力、それを支えるモチベーションはサービス品質に直接影響するため、人事制度の改善が急務であった。 |
2. プロジェクト内容
内容 | 詳細 |
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制度棚卸しと課題抽出 | 事業部・グループ各社の人事制度の現状を把握し、課題を抽出。 |
インタビューの実施 | 役員・事業責任者に対するインタビューを実施し、人材マネジメント方針を策定。 |
基幹人事制度の策定 | 全社共通の等級、評価、報酬に関する制度を策定。従業員周知するためのコミュニケーション資料を作成。 |
これまでの想いを大切にしながら、さらに事業成長するため、複雑化していた社内基準を統一

ルヴィアコンサルティング中川(以下、ルヴィア中川):今回のKPG様の人事制度改革プロジェクトについて、まずはルヴィアにご依頼いただいた経緯を教えていただけますか?
KPG 大山様(以下、大山):やっぱり、ご一緒したいなと思えたことが一番でした。
ルヴィアさんとは、初回の打ち合わせが2022年9月で実際のプロジェクト開始が2023年6月と、開始までに時間がかかったのですが。そのあいだ毎月ディスカッションを重ねて、確かな信頼関係を築けたことが大きかったと思います。
KPG 亀井様(以下、亀井):そうですね。社内事情に寄り添って、一緒に考えてくださる姿勢がすごく信頼できました。
KPGにとって人事制度の確立は急務だったのですが、制度改革にあたり、社内で話を整えるのにまず難航したので……。
大山:弊社は内部構成がすごく複雑ですからね。特にプロジェクト開始前は、各事業部で役職や等級の定義がバラバラで、お給料の水準も違ったし、会社全体としての評価の基準となるものもなかった。事業部ごとに社長がいるという状況でした。
会社がさらに成長していくためには、役職や評価の基準を定めて統一する必要があると感じていた。その一方で、事業部のそれぞれのカラーも社長の想いも何ひとつ無碍にせず、すべて大切にしていきたかった。その折り合いに、どうしても葛藤があったんです。
そこでルヴィアさんに、各役員や事業部の社長の全員にインタビューをやっていただいたんですよね。
ルヴィア中川:そうですね。グループの加藤社長から始まり、役員や事業部の社長の方々、約20人いらっしゃる全員にインタビューさせていただきました。
インタビューを通して伝わってきたのが、皆さん非常に従業員を大切になさっているということでした。ホスピタリティ精神やKPGマインド、従業員モチベーションなど、企業の根幹として一番大切にされているところが共通していた。それはもう本当にKPG様のすばらしいところだと感じましたし、我々としても気持ちよくお仕事させていただけた部分でした。
大山:本当にそういう、各社長たちの意見や想い、大切にしていることを、ひとつひとつ丁寧に汲んでいただけたことがありがたくて。最初はさまざまだった各社長たちの意見も、「ここまで親身になってもらうのだから協力しよう」「今やらなくていつやるんだ」というふうになり、ご依頼したという形でした。










公平性を担保しながらの制度構築と制度導入のための勉強会で、社内意識が変化

ルヴィア中川:当時は人事・評価制度そのものと、あとは運用のところにも課題がおありだったかと思います。その辺はいかがでしたでしょうか?
大山:その辺りはまさに、内部のみで進めるのは無理だったなと感じた箇所でした。
いざ制度改革に着手するとなって実感したのが、①自分たちでは、得たい結果はわかっていても、そのために必要なものの正解がわからない。②内部の人間が作った制度では、どうしても公平性について懸念がある。――ということだったんですね。
亀井:「今後こういう会社にしていくために、これが必要です」と伝えるのは、私たち内部の意見だけではやっぱり弱いんです。外部のコンサルタント・スペシャリストに説明されることで、公平な見解だと納得がいく。当たり前のようですが、従業員たちにはこれまでやってきたそれぞれの想いがありますから、外部の目で公平性が確認できることがとても重要なんですよね。
ルヴィア中川:それはもうこちらこそ、大山さんと亀井さんの当事者意識の高さに感銘しきりでした。
制度作りって、内部の方がコンサル任せ・他人任せの意識になってしまうと、やっぱりいいものは作れないんです。そういうものに対して僕らは「魂がこもってない」って言い方をよくするんですけど、今回のプロジェクトはお2人の魂を感じました。
大山:いやもう、命をかけている感覚でしたから(笑)
だから本当、プロジェクト中は成功するしか考えていない感じでした。ところどころでは2人して悩んだり迷ったりすることもありましたが、このプロジェクトが必ずKPGの全スタッフにとって良いものになるってことは、やる前から確信に近いものがありましたので。
亀井:そうですね。このプロジェクトが誰のため・どうなるためのものかっていうゴール設定が、最初から明確だった。この共有意識があったからこそ乗り越えられたと思いますし、自分も一緒に成長できたと感じています。
大山:成長と言えば、評価者研修もですね。評価制度の導入にあたって、ルヴィアさんにやっていただいた勉強会。あれで、管理職側の意識が変わったと感じています。
というのも、今までは評価制度がほぼなかったので、部下に対して評価をすることがなかったんです。でも評価をする意識っていうのは、マネジメントの基礎的なものなんだな、と。どう評価をするか・どう目標設定をするかってことが非常に大切だと、勉強になりました。評価する側・される側での両方の成長にも繋がってると思います。
従業員のやりがいやコミュニケーションの質が大幅改善

ルヴィア中川:9カ月のプロジェクト期間を経て、今(※インタビュー当時、システム実施から約2週間)ようやく新制度が実際に走り出したわけですが、手ごたえはどうですか?
大山:これがね、システムへの自己評価入力が、もう90%以上の従業員がすぐにやってくれたんです。めちゃくちゃスピーディー。求められていたんだ、期待されているんだと感じました。
亀井:評価制度があることで、自分が何をしたら評価されるのかが明確にわかる。それが従業員たちのやりがいに繋がっているのを感じますね。
それに、部下とのコミュニケーションがすごく取りやすくなったんです。評価ポイントの前提があるので、こちらの要望が伝えやすいし、相手も求められていることや自分の足りない点を理解しやすい。そうすると、「次はここ頑張っていこうね」みたいな声掛けもしやすいんですね。
私のチームでは、この短期間で1人1人が自発的に動けるようになってきているのを実感しています。この1年後には、うちのチームはもっと成長しているんだろうなと感じられるんです。みんなすごくキラキラ輝きだしたなって。
大山:部下にとっては、上司とのコミュニケーションを取るための制度でもあるので。評価についてわからない・納得できないことがあったら、どんどん自発的に聞きに来てっていうふうに伝えています。
やっぱり意思疎通がクリアじゃない相手と一緒にお仕事するのは、すごく大きな損失だと思うんですね。お互いに、余計なことで悩んだり、良かれと思った努力がから回ったりしてしまうのは勿体ない。だからはじめに双方に、会社やチームの意図としての評価ポイントが共通認識になっていることはすごく大事だと感じています。
ルヴィア中川:僕らもまさに、人事制度はコミュニケーションツールだと思っています。求められる役割やスキルは何なのか、何をしたら評価されるのか、どうすれば報酬が上がるのかといったことを伝えるためのツールですね。それがちゃんと従業員に伝われば、あるべき行動やパフォーマンスはおのずと引き出されると思うので。
大山:本当に、コミュニケーションですね。今はまだ評価の認識のギャップが出てしまうこともあるので、まだまだ深く落とし込みする必要があるなと思っています。
亀井:今は始まったばかりで、とても期待も受けているので。みんなの期待をどう継続させていくか、期待にどう応えていけるのかってところは、これからブラッシュアップも必要になってくると思うんです。より良いものを求めて、またルヴィアさんのお知恵もお借りしながら、今後もずっと求められ続ける人事制度にしていきたいなと感じています。
ルヴィア中川:そうですね。大山さんと亀井さんが強い想いをお持ちだったら、実際これからもうまくいくと思います。我々も伴走できるので、うまく使っていただければと。
大山:ありがとうございます。これからもまた頑張りますし、ルヴィアさんにご相談もさせていただければと思います。実はプロジェクト完了でいただいた御礼画像も、机に貼って、いつも一緒にお仕事しているんです(笑)
亀井:私も貼っています。ここに、一番見えるパソコンの画面の横のファイルのところにぴっと(笑)

ルヴィア中川:うわー、ありがとうございます。良かったです(笑)
僕の中でも本当に、一緒に9カ月やらせていただいてきて、もうすっかり戦友みたいな思いがありまして。改めて、運用面でのアドバイスやご相談に対しても、今後もしっかりお手伝いさせていただければと思っています。
