目標管理

目標管理の運用

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前回の記事ではSMARTというフレームワークを用いて、目標に具体性を持たせるポイントを確認しました。

こうして設定した目標について、上司と部下が適宜コミュニケーションを取りつつ効果的に運用することで、部下の成長を支援することができます。

 一方、目標管理とセットになることが多い人事評価においては、運用の方法によっては仕事に対してよくない影響を及ぼすこともあるため、今回は、部下の成長を支援する上で重要なポイントを解説していきます。

目標管理の運用

 目標設定を起点として、これまでの経験を振り返り、教訓化することで学びを深めることができます。

 これは「経験学習サイクル」と呼ばれる理論で具体的には、上司の関わり方を踏まえ4つのステップで進めます。

 ここからはその4つのステップについて1つずつ見て行きます。

 Step.1 経験:適度に難しい目標を設定して経験する

 目標は、前回の動画で解説したSMARTにもある通り、その人によって努力すれば達成可能なレベルで立てます。

 適度な挑戦が良い経験の条件ともいわれているため、上司は部下に対し目標をどのように達成しようと考えているのか、その手段や実行計画について聞き出し達成に向けた支援を行うことで、より良い経験となるようにサポートを行います。

 Step.2 内省:行動を振り返る

 目標・計画に対して、できていること改善が必要なことを振り返り、内省します。

 他者に経験を語ると、効果的に内省することができるといわれています。

 上司は、目標の進捗を定期的に振り返る時間と場所を確保し、1対1の面談などで部下に経験を語らせ、気付きを得られるように心がけます。

 部下は、自己の在り方や行動を他者に説明することで、無意識かつ暗黙のうちに行っている事柄を「見える化」することができます。

 内省が「見える化」されると、その内容を上司と共有することができ上司からのアドバイスや問いかけを通じて、さらなる内省を促すことができます。

上司から質問する場合は、これらの質問の例の順番通り「うまくいったこと」から聞くことが重要です。

 「うまくいかなかったこと」から先に聞いてしまうと、部下は責められているように感じ、内省よりも自己防衛を優先してしまう可能性があります。

 また、内省を促すだけでなく、本人の経験・行動に対する上司のフィードバックも適宜伝えることで、部下の自己理解をさらに深めることができます。

 Step.3 教訓:経験を多面的に捉え教訓にする

 「こうやったらうまくいく」という手応えをコツやノウハウとして昇華させるのがこの「教訓」のプロセスです。

 自分がなぜこういった行動をとったのか、次はどうすればいいかなどの成功パターンを探究することで、自身の教訓・理論とすることで成果がより出やすくなりますし、知的好奇心が刺激されて仕事への意欲がさらに高まります。

 Step.4 実践:行動を修正し、挑戦する

 教訓を実践するプロセスです。

 実践してまた新たな経験を得ることで、次の新しいサイクルのStep.1「経験」に移行します。

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